

11月21日(土)19時開演の部を観覧、私の中でここ何年かの数多い観劇の中でトップの芝居。13号地の加藤と一緒に行くが、小津安二郎の映画が引きのアングルで有名なこともあり舞台から離れた場所に座ろうとすると、加藤が中野光座も最後であり一番前で観てみたい、と一番前で観ることにする。 パンフを見て驚く、キャストに常連の石川真希さんに加えて木之内頼仁さん、大久保鷹さん、十貫寺梅軒さんの名前が並ぶ。なんて豪華なんだ!なんて凄いんだ!興奮する。 映画での笠智衆さん、東山千栄子さんのイメージが強い、お父さん、お母さんの役を、舞台ではもうこの人でしか無理なのではないかと思う程の良さで、石川真希さん、木之内頼仁さんが魅せてくれる。泣かせてくれる。 初っ端の割烹着のご近所さんを大久保鷹さんが、そのたたずまいと居かたで私達とは格の違う役者であることをまざまざと感じさせる。それから何度も何役もこなすのだが、凄さを魅せつけてくれる。 お父さんの旧友役の十貫寺梅軒さんの、酔っぱらっての台詞がとても良かった。十貫寺梅軒さんも何度も何役もこなし楽しませ魅せてくれます。 紀子役のりんさんは泣けた!志げ役の中島望美さんもとても良かった!杉祐三さん、村山好文さん、永岡沙江さん、荻原裕介さん、そして何役も何役も舞台上で待機しながら着替えて出てきた皆さんも良かったです。 お葬式のシーンで、舞台上のそでで一斉に着替えをする斬新さ!そしてお葬式のシーンのきれいだったこと。 全人類、死ぬという決まりがあるのだ、だからこそ生きて、そこにドラマが生まれる…。なんて、あたりまえの重さを感じました。 それにしても山崎さんの構成の上手さ、演出の凄さ!舞台を観ながら東京物語の映画のシーンが何度も頭に浮かんでき、また背景まで浮かんできました。 一人何役もこなす役者さん達を舞台上で着替えさせることによってできる絶妙なバランスがなんとも言えません。 木之内頼仁さんの最後の姿に自分の父の姿を重ねて、思わずウッときたのですが、観終わって楽屋見舞いに行くと、とても元気でしっかりと(元々木之内頼仁さんは転位・21のときからがっちりとして大きな人でした。)「よっ」と言われた時はいつもの木之内さんで、夢から覚めたようでした…。 中野光座最終公演にふさわしいとても価値ある作品です。私はまだ余韻に浸っています…。
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