2007.06/15 [Fri]
『放埓の人』はなぜ『花嫁の指輪』に改題されたか、あるいはなぜ私は引っ越しのさい沢野ひとしの本を見失ったか。(ここまで芝居の題名です。)―(燐光群)
新宿スペース雑遊にて
旗揚げより観ていた燐光群の芝居も、もう10年以上前から観なくなっていました。
去年偶然中山マリさんにお逢いしたことから、観に行くことにしました。
本当に長い題名です。あのせまいスペース雑遊に山を感じさせるような坂の舞台をつくり、その山の上からごろごろと少年時代の沢野ひとしが転がって落ちてきます。さまざまな時代の沢野ひとしを男優陣が演じ、信じられないような生活ぶりを披露します。女性の敵だと思われる行為も、沢野ひとしの目線で描かれており、逆に女性が滑稽に観えてしまうのも…、くやしいかナ。いくつものエピソードで作品が構成されているのですが、膨大なセリフが飛び交いいつの間にか違う沢野ひとしの話になり、見終えた後は一冊の本を読み終えたような達成感はあります。沢野ひとしの娘が父の愛人から、「人並の養育費?」をちゃんと父から貰っていたことを知り涙するところは時間がとまったようでよかった。中山マリさんの沢野ひとしの奥さんは沢野ひとしの見方がとてもクールで、それが逆に悲しくてよかった。…一番若い少年時代の沢野ひとしもいい。
去年の『スタッフ・ハプンズ』ではとても膨大なセリフについていけず(聞こうとしても聞けず)眠ってしまったのですが…。
13号地~稽古場日記より転写
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